乗組員の制服について

乗組員の制服について

本日は船の上で働く乗組員の「制服」についてお話しさせていただきます。

冬も終わりに近づきますがまだまだ寒い日が続いています。皆様は外出するときに何をお召しになりますか? まずは、皆様も学生時代はもしかしたらお持ちだったであろうPコートについてお話しさせていただきます。

Pコート(ピーコート)は、厚手ウールのダブル前で腰丈のオーバーコートですね。そもそも19世紀末からイギリス海軍が軍服として着用していたそうで、Pとは「パイロット(水先案内人)」に由来します。そのためこのPとは「パイロット(水先案内人)」を表しています。

船の世界では、現在でもPコートが広く使用されています。

理由として、甲板などで気象条件が特に悪いときでも使用できるよう風向により左右どちらでも上前を変えることができる便利なコートだからです。また片方のボタンが破損してももう片方で止められるというメリットもあります。
錨をあしらったボタンなども言われてみれば確かに殆どのPコートに付いています。
学生時代、Pコートが学校指定のコートとして利用された一番大きな理由としては、右あわせ、左あわせのどちらでも着こなせ、男女が共用できるためです。
もし、ご自宅にPコートがあったり、今、Pコートをお召しでしたら一度ボタンを確認してください。きっと錨をあしらったデザインとなっているはずです。

次に、乗組員の制服についてご説明いたします。

甲板部・機関部・無線部・医務部・ホテル部と船上では各部署ごとに制服があります。肩章・袖章を着ける制服の場合、肩章・袖章のストライプとストライプの間の色で、部署がわかります。

無色は甲板部(甲板機器の保守や、荷物の積み下ろし、デッキの清掃などを行う部署)です。
紫色は機関部です。(オイルの色が紫色だから)
緑色は無線部です。(緑色は陸をイメージさせる)
赤色は医務部です。(赤色は血の色だから)
白色はホテル部です。(白色は清潔をイメージさせる)

上記の色の由来については、あくまで一説なので本当のところは分からないのですが、それぞれに意味があると考えると面白いのではないでしょうか?

今後、船に乗った際に乗組員の制服を一度確認してください。もし袖に色が入っていたらそのスタッフがどの部署に所属しているかすぐにわかります。

船に乗る楽しみがひとつ増えたら幸いです。