今回は、船の命名式と命名者についてお話しいたします。
客船は通常、命名式を行い船の所有権が造船所から船主へ移ります。これを引渡式とも言います。
進水式(または命名式)では女性の手によって斧(金または銀)で支綱が切断されます。
進水式の場合は船首をつなぎ止めている支綱を切断し、命名者(ゴットマザー)によって「この船を○○と命名します!」と客船名が命名されます。
クルーズ好きな人でも客船名は知っていても、その船の命名者まで正確に答えられる人は少ないです。
以下、有名なところでは、昨年7月に引退した「ふじ丸」。
クルーズ元年と言われた1989年4月に石原慎太郎元東京都知事(当時運輸大臣)の典子夫人です。
現在も活躍中の「にっぽん丸」は、1990年3月に紀宮清子内親王(現、黒田清子氏)。
「飛鳥Ⅱ」は2006年2月に横浜市出身の女優の岸恵子さん。飛鳥Ⅱの船籍が横浜のため横浜市出身の岸さんが選ばれました。
そして、外国船の命名者は王室関係や政治家、女優、アスリートなどそうそうたるメンバーです。
「クィーン・エリザベス」「クィーン・メリー2」はエリザベス女王、「クィーン・ヴィクトリア」はチャールズ皇太子妃のカミラ夫人、「ロイヤル・プリンセス」はキャサリン妃、「MSCファンタジア」は女優のソフィア・ローレンが命名者を務めました。
また1988年のカルガリー冬季五輪で活躍した旧東ドイツのカタリナ・ビット氏が「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」のゴットマザーになったのは、この船が客船史上初めてアイススケートリンクを備えたからです。
いかがでしたか?
少しでもクルーズや客船に興味を持っていただければ幸いです。