今回は釜山に近い港町・統営(トンヨン)という町をご案内致します。
統営は韓国の南東部、東シナ海に面した港町です。海岸から約100km行ったところに対馬があり、日本とは目と鼻の先くらいの距離にあります。この一帯はリアス式海岸となっており、幾つもの入り江が入り組んでいます。海金剛(ヘグムガン)と呼ばれる海に突き出した絶壁や奇岩が織りなす風景は年中、観光客が絶えません。また、海には大小さまざまな島が数多く浮かんでいます。統営市内の南にある弥勒島にはロープウェーを使って島の頂上に行くことができます。青い海のいたるところに緑の島が点々としている風景は絶景といって過言ではありません。
海を中心とした自然が豊かな統営ですが、歴史の古い町でもあります。特に、この町は李舜臣(イ・スンシン)の町といわれています。李舜臣は16世紀末、豊臣秀吉の朝鮮出兵[文禄・慶長の役 韓国名:壬辰倭乱(イムジン・ヌェラン)]の緒戦時、水軍の司令部が置かれたこの地で司令官として赴任しました。統営港から少し行ったところに閑山島(ハンサンド)があり、その沖で脇坂安治が率いる水軍を巧妙な戦術で敗退させた閑山島の戦いは韓国人ならだれもが知っています。この島へは港から1時間ごとに船が出ているので、簡単に行くことができます。李舜臣に関わる旧跡も多く、閑山島には彼を祀った制勝堂(チェスンダン)、本土にも忠烈祠(チュンニョルサ)、水軍司令部であった洗兵館(セビョングァン)があります。その他、日本統治時代に本土と弥勒島を結ぶ東洋初の海底トンネルが造られ、現在も通行可能で観光地のひとつとなっています。
統営は海の幸も豊富です。日本の瀬戸内海や三陸と同じく、リアス式海岸のここは牡蠣の養殖が盛んで、牡蠣鍋や牡蠣飯を食べに遠方から人々がやってきます。他にうなぎやアナゴ料理、また、味が付いていない海苔巻、忠武キンパプもここの名物です。
釜山に行った時に統営は日帰り観光が可能ですので、時間を作っていかれて見てはいかがでしょうか。
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