ソウル近郊にある、長い韓国の歴史と共に歩む島・江華島

ソウル近郊にある、長い韓国の歴史と共に歩む島・江華島

今回は韓国の首都・ソウルや空港のある仁川から近いにもかかわらず、あまり注目されてこなかった歴史ある島・江華島(カンファド)をご紹介いたします。

江華島の歴史は長く、紀元前に造られたとされるコインドルが数多くありユネスコの世界遺産に登録されています。また、韓国の建国神話で古代の王・檀君(タングン)がこの島の摩尼山(マニサン)に降臨したという檀君神話があります。

ここは歴代の首都たる開城(ケソン)や漢陽(ハニャン)[現在のソウル]の入り口に位置しているため、朝鮮半島に外国勢力が侵攻する場合、必ず攻撃の対象となったのです。13世紀にはモンゴルから高麗国王を守るため、約30年間、川を挟んだ対岸におかれていた首都・開城からこの江華島に遷都してモンゴルに抵抗しました。王宮は当初、南部の伝燈寺(チョンドンサ)におかれましたが、後に島の中心部に移しました。これが現在の江華山城(カンファ・サンソン)および高麗宮址(コリョグンジ)です。

19世紀後半にはフランス、アメリカそして日本がこの島に攻め入りました。その防御に充てられたのが海岸沿いに点々とある広城堡(クァンソンポ)、徳津鎮(トクチンジン)、草芝鎮(チョジジン)等の要塞です。日本は1875年、朝鮮を開国させるため軍艦雲揚号にて草芝鎮を総攻撃し朝鮮側と激戦となりましたが、結局日朝修好条規[江華島条約]を結んで開国するに至りました。現在の韓国ではこの事が後の植民地化への第一歩と解釈されています。

そして現在も朝鮮半島の悲劇をこの島は背負っています。島の北側を流れる川は北朝鮮と対峙する軍事境界線が通っていて、緊迫した地域となっています。海岸の高台には江華平和展望台があり、対岸の北朝鮮を望むことができます。有料の望遠鏡を使うと、日によっては人々が田や畑を耕したり、道を歩いているところを見る事が出来ます。かつては島と同じ生活圏で家は江華島、職場・学校は対岸の村という人がたくさんいたそうです。しかし1950年の朝鮮戦争以後、完全に往来をする事が出来なくなりました。ちょっとした偶然で家族が北と南に離れ離れになり、そのまま60年以上過ぎてしまった家族も多数住んでいます。

江華島はソウル中心部から西へ約50kmに位置し、片道1時間半くらいで着く日帰り旅行にはちょうど良い観光地です。島外とを結ぶバスターミナルは郡庁がある江華中心部にあり、そこから島内バスにて各地を見学する事が出来ます。しかし本数が少ないため、効率よく島内見学をするにはタクシーをチャーターした方が便利です。

三進トラベルサービスのホームページ
http://www.sanshin-travel.com/