毎年2月中旬から3月初旬の間の１週間、ロシアでは「マースレニッツア」というお祭りがあります。

マースレニッツアは「バター祭」と訳されますが、それはこの後に来る厳しい精進期間(キリスト教の大斎期)の前に期間中では食べられないバターやチーズといった乳製品が大量に食べられていたことから、この名が付けられました。

このお祭りでは、冬を追いだし春を招くといった意味で、街中の広場では冬を象徴した藁人形が燃やされます。また広場ではクッキーや蜂蜜などの屋台が並び、即席の舞台ではダンスや歌のコンサートが催されます。3月でまだ氷点下の日が多いにもかかわらず、老若男女が広場に繰り出すのです。

家庭ではバターをふんだんに使ったブリヌイ(ロシアのクレープ)をたくさん焼いて家族や友人と食べたりします。

ブリヌイはシンプルに砂糖をかけただけのものから、ジャムやハチミツを入れたもの、豪華にイクラやキャビアが入ったものまでバリエーションが豊富にあります。

ロシアの冬は空気がピンと張りつめ、-20℃くらいの気温では呼吸をすると肺が凍るような感覚になります。

冬が長いロシアにとって春の訪れは格別で、マースレニッツアの期間はみんな陽気になり街も華やかに彩られます。

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