6月上旬のことですが、毎年恒例のガイド研修のためモンゴルに行ってきました。例年よりも草の生育が早く、すでに草原は緑一面、すっかり夏の匂いが立ち込めていました。
今年はモンゴルの鉱山開発が滞っているとかで、日本語の通訳として鉱山へ行っていた優秀な人材が、ツアー向けの日本語ガイド業に戻ってきてくれました。しかも、乗馬の得意な遊牧民出身のガイドも多く、今年のガイドは本当に粒揃いです。
そんなガイドたちの乗馬研修のため、ガイドたちとともに草原のど真ん中にある、風の旅行社直営キャンプ「ほしのいえ」へも行きました。遊牧民のお宅(ゲル)周辺で乗馬研修をしているときのことです。繋がれている馬たちの近くでお祈りをするお坊さんの姿を見かけました。
周囲を馬が駆け回る大草原で、小さなテーブルを出して、まるでそこがお寺の中のように、涼やかな顔でなにやらお経を読んでいます。
話を聞いてみると、まもなくやってくるモンゴルの夏の風物詩「ナーダム」に出場する馬の安全を、馬頭観音にお祈りしているんだとか。(ナーダムとは、草原で行われるモンゴルの競馬です)
読経のほか、馬をつなぐ杭の周りでお香を炊き、お供えのお菓子を置いていました。
私が「ついでに『ほしのいえ』に貸し出す馬の安全もお祈りしてください」と言うと、お坊さんはにっこり笑ってうなずいていました。
これで草原だけでなく、ガイドも、馬も万全です! 今年の「ほしのいえ」の乗馬は、きっとこれで大丈夫でしょう。皆さん、草原でお待ちしています。
▼モンゴルの直営ツーリストキャンプ「ほしのいえ」はこんなところ
http://www.kaze-travel.co.jp/mongol_kiji001.html?tabisen