フィンランドのクリスマスは日本のお盆とお正月の両方の意味合いを持つ大切な行事です。
フィンランド語では12月のことを「Joulukuu(ヨウルクー)」、「クリスマスの月」と呼び、初旬から早々に国中がクリスマスムード一色に染まります。24日のクリスマスイブから26日の「Tapaninpäivä(タパニンパイヴァ)」にかけてのクリスマス本番に先駆けて、「Pikkujoulu(ピックヨウル)」すなわち「小さなクリスマス」と称される忘年会が連日催され、笑顔の絶えることのない明るいひと月です。普段はまじめで実直なフィンランド人のおちゃめな側面が垣間見られる時期でもあります。また、町にはクリスマスマーケットが登場し、クリスマスツリーのオーナメントや各地のクリスマスにちなんだ物産品を買うことができます。
ピックヨウルは友人や恋人と過ごすクリスマスですが、クリスマス本番は家族としっとり過ごします。どの家の居間にも立派なクリスマスツリーが置かれ、きらびやかなオーナメントで飾り付けられます。「Himmeli(ヒンメリ)」と呼ばれる藁やストローで作ったモビールが天井や窓際に吊るされるのも、フィンランドならでは。またクリスマスの間は家事をお休みするので、おせちのように日持ちのするキャセロール料理などをあらかじめどっさり作っておきます。
クリスマスイブには誰もが実家に戻り、翌日のクリスマスに備えます。そして一家の長であるお父さんには「Joulukinkku(ヨウルキンック)」と呼ばれる大きなローストハムを一晩かけて焼く大仕事が待っています。
クリスマスの朝目覚めると、居間のクリスマスツリーの下には山のようにプレゼントが置かれています。フィンランドのクリスマスプレゼントは、何か高価なものを一つだけ…ではなくささやかなものをたくさん用意するのが流儀です。
山盛りのプレゼントを横目にまずは教会へ。礼拝を済ませたあと家族全員で家のサウナに入り体と心を清めます。そしてその次はお墓参り。町はずれの墓地に向かい、お墓の周りをキャンドルで飾りつけて先祖に祈りを捧げます。いつもは殺風景な墓地がこの時ばかりはまばゆい幻想的な光景に包まれるのもフィンランドのクリスマスの風物詩と言えるでしょう。
お墓参りが済むと、待ちに待ったプレゼントの開封とクリスマスランチです。わいわい話に花を咲かせながら、お父さんの焼いたローストハムやお母さんが腕によりをかけて作ったキャセロールやごちそうに舌鼓を打ちます。お腹いっぱいになったら家族とのゆったりとしたひと時を翌日のタパニンパイヴァ(タパニの日)まで過ごします。
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