フィンランドのイースター(復活祭)と「ヴィルヴォン・ヴァルヴォン」

今日(4月9日)は、フィンランドではイースター(復活祭)休暇の最終日です。
イースターは、クリスマスの次に大きなお祭りであり、休日の少ないフィンランドでは珍しく4連休になります。

復活祭とは名前の通り、イエス・キリストが十字架に架けられてから、3日目に復活したことを祝うお祭りです。フィンランドでも他の国と同様、イースターエッグに絵付けをしたり、生命の誕生を意味する、「たまご」と「ひよこ」が飾られたりしますが、他の国とちょっと違うのは「ネコヤナギ」や「チューリップ」などを飾ったりすることです。
丁度この時期は、長い冬が終わり、待ち焦がれていた春の訪れる時期ですので、春の到来をお祝いするという意味も込められているのです。

そのほかの異なる風習としては、「ヴィルヴォン・ヴァルヴォン」と言われる風習です。

イースター1週間前の日曜日に、子供たちが魔女に仮装して各家庭を回り、幸福を願う呪文を唱えます。そのお返しに、子供たちはチョコレートやお菓子、小銭 等をもらうという、子供には大切なイベントなのです。アメリカ等でのハロウィーンに似ておりますが、フィンランドではこの時期に行われます。

その子供達が唱える呪文が「ヴィルヴォン・ヴァルヴォン」から始まるので、そう呼ばれておりますが、フィンランド語でも特に意味はなく「アブラカタブラ」の様な呪文前に唱える言葉の意味だそうです。

写真に写っている少女が枝を沢山持っていますが、これは魔女の杖で、ネコヤナギにリボンなどの飾り付けをして作ります。日本の七夕飾りの様に、この時期には幼稚園や小学校低学年の学校の授業でも作ったりするそうです。

また、少女がヤカンを持っていますが、このヤカンの中に小銭やチョコレートを入れてあげるようになっています。皆様の中にもなぜヤカン?!と思った方もい らっしゃったかと思いますが、フィンランドの人々に聞いても良く分からず、「どこにでもあるから?」とか「小銭等を入れると音がなるから?」等の意見が出 ていたので、そんな感じなんだと思います。

このイベント等を通し、人々は、この時期にようやく長い冬が終わり、待ちに待った春を感じることができるのです。