インドには年間を通じて、たくさんのお祭りがあります。インド全土で祝うお祭りだけでなく、ヒンドゥ、イスラム、シーク、仏教…
町や村のお祭りは数えきればきりがありません。秋にインドの田舎に足をのばすと、毎日のようにどこかでお祭りがあり、小学校でさえも「開店休業」のような状況になります。
インドのお祭りの特色のひとつが、月暦でお祭りの日が決まることです。そのため、インドのお正月でさえ、その年によって日が変わるのです。日本のように、人間の都合で決められた「ハッピーマンデー」でなく、インドの人たちは、今もなお、空を見上げ、月の満ち欠けと共に生活を営んでいるのです。少し、うらやましい気持ちになりますね。今回は、インドでも最も大切なお祭り、「新年を祝うディワリ(ディパワリ)」を紹介します。
10~11月の新月の日、月のみえない夜にインドは新年を迎えます。新年を迎える気持ちは日本と同じ、数日前から大掃除がはじまります。経済的な余裕のない家庭のお母さんも、この時ばかりは、新しいサリーを手に入れることができる、心弾む季節。恐ろしく年季の入ったボロボロの椅子、例えば足のない椅子(それでもインド人は工夫して使っています)も、ようやく新調されるチャンスが巡ってくるのです。壁を塗りかえ、カラブルな神像、花輪で飾ります。近年では、ディワリ前にインド全土の需要が旺盛になる傾向にあり、世界の市場もインド勢の動向に注目しています。
大掃除を終えた人たちは、真っ暗闇の夜、いよいよ新年を迎えるため、ろうそくを灯します。我が家の中だけでなく、戸口や庭、道、ガンジス河の畔、めいっぱい明るく、新しい年が幸せな1年になるように、祈祷師とともに、ラクシュミーやガネーシャに祈ります。日本の「キャンドルナイト」「灯火会」のようなことがインド全土で行われているのです。
なんと、幻想的なお祭りなんでしょう… と思いきや、都会では少しばかり事情が変わってきています。若者が爆竹で大騒ぎ…
なので、この時期にインドに旅行する人は、静かな光のお祭りを楽しめる地域をオススメします。甘いお菓子ラッドゥが山のように積み上げられた町に、「ハッピーディワリ」の笑顔が溢れています。今年のディワリは11月3日、みなさんもインドで一緒にお祝いしませんか。