国語のない国インドの通貨

最近やっと暖かくなり、春へ近づいてきましたね。インドもこれから徐々に暖かく(暑く!?)なってきますよ。
さて、今回はインドの「お金」についてご紹介しようと思います。

インドの通貨は、
“インドルピー(India Rupee)”という単位で、1ルピーだいたい2円の換算レートになります。
このインドルピーの大きな特徴としては、紙幣に17の言語で(英語とヒンディー語が表、残りの15の言語が裏面)額面の表記があり、どの地域の人にも分かるようになっております。(写真参照)

そうなのです!
インドは、主要な言語だけで少なくとも30あり、方言に至っては全体で2000前後も存在するといわれている、多言語国家なのです。
ある意味、「国語のない国」とも言えるのではないでしょうか。

そんな多様性のインドでも、現在使われている全てのお札には、インド独立の立役者、マハトマ・ガンディー(1917~1984)の顔が描かれています。
インド人にとって、どれだけ重要な存在であるのかがよく分かる部分ですね。

ところで、昔、インドへ旅されたことがある方は目にされた事があるでしょうか。
インドでは札束をホッチキスで止める習慣があります。
しかも大きなホッチキスで何ヶ所も…。日本では考え難いですよね!
この理由の1つには、「1枚ぐらいならバレないだろ」と、札束から抜き取るのを防ぐためと言われています。
その穴が徐々に大きくなり、紙幣が破れる、なんて事もしばしば。
はじめから穴が開いているのに、破れた紙幣はなかなか受取ってもらえません。
なんとか先に使おう!としますのでまた、くたびれた紙幣から出回ります。(ちなみに、早くボロボロの紙幣を利用する術をインド人達は持っています。)

それでも最近ではキレイなお札も増え、くたびれたお札をあまり見かけなくなりました。
これは個人的な推測も入るのですが、小額紙幣(5ルピーや10ルピー)が紙幣からコインに変わって来ていることも影響しているのではないでしょうか。
富裕層・貧困層関係なく利用する小額紙幣は利用頻度が高く、その小額紙幣が破れないコインへ変わったため、くたびれた紙幣が少なくなった、そんな気がするのかもしれません。

そのコインには興味深い一面があります。国内には文字の読めない人もいるためか、最近のコインには金額を表す数が絵で示されてあり、誰にでも分かりやすいように作られているのです。(写真参照)
色々な人が住むインドの優しい一面ですね。

お金からも分かるように、この国には多種多様な文化や習慣があります。
もし、インドのお金をご覧になる機会がありましたら、多数の言語やガンディーさんの笑顔を確認してみてくださいね。