今回のテーマは映画です。
登山をテーマにする映画はたくさんあります。
特に近年は、エベレスト・神々の頂、メルー、岳、アイガー北壁など、山岳映画が目白押しでした。
今回はあえて、最新の映画ではなく、昔の映画をご紹介します。
その名も「山」(原題 The Mountain)。1956年公開の映画で、山岳アクションの名作です。
アルプスの雪山に旅客機が墜落しますが、余りにも険しい山のために誰も救助に行けません。
唯一行けるのは、元山岳ガイドのザカリ―(スペンサー・トレーシー)
ザカリ―は、一流の山岳ガイドでしたが、客を山で死なせてしまい、自分は山に嫌われていると思い込み、それ以来、山には登っていません。
親子ほど年の離れた弟クリス(ロバート・ワグナー)は、ザカリ―が育ててきました。
クリスは、お金持ちのインド人が乗っていたという話を聞きつけ、乗客の金品を目当てに強引に山に登ろうとします。クリスを放って置けないザカリ―は、しかたなく一緒に山に登ることにします。
困難な登山の末に飛行機にたどり着くと、一人のインド人女性の生存者を発見しました。ザカリ―は女性を助けるために、下山を開始します。
クリスは飛行機を荒らして金品を探し回り、その後、兄たちを追いかけますが、途中、氷河の事故で亡くなります。
女性を無事に村に連れて帰ったザカリーは、自分は金品を目的に山に行って飛行機を荒らした。弟が女性を助け下山しようとしたが、途中でクレバスに落ちて死んでまった。
弟は英雄で、自分は犯罪者だと、村人に話します。
ザカリーは村でも有名な正直者、クリスは強欲でわがままな人間なのを皆が知っていて、だれもザカリ―の話を信じてくれません。
愛する弟を亡くしたこと、弟を正しく育てられなかったことで自分を責めます。なんとも哀愁がただようラストシーンです。
子供のころにテレビで放映されたこの映画を見て、氷河のシーンがあまりにも印象的で、ずっと頭から離れませんでした。
いつかもう一度この映画を見てみたいと思っていましたが、題名も解らず、そのままになっていましたが、自分が山岳ガイドになって、改めてたどり着いたのがこの映画でした。
しかし古い映画のために、ビデオもなく長い間見ることができませんでしたが、ついに2015年にDVD化されました。
美しいアルプスの山々、張緊する登山シーン、古き良きアルプスの山村など、今の映画にはない素朴な見どころがたくさんある映画です。
この映画の舞台となったアルプスに足を運んでみませんか。
映画の時代からは、かなり現代的になっていますが、山の美しさは変わっていません。
アルプスは7~9月がベストシーズン。
この夏、映画の世界を体験してみませんか。