横浜ベイブリッジの高さに纏わる話

横浜ベイブリッジの高さに纏わる話

突然ですが、横浜ベイブリッジがなぜ今の高さで設計されたかご存知ですか?
恐らく横浜市民の方でもこのことについてお話しできる方は少ないかと思います。

本日は、横浜ベイブリッジの高さに纏わるお話しをしたいと思います。
横浜ベイブリッジは、横浜市制100周年、横浜開港130周年にあたる平成元年9月27日に開通しました。
当時新聞テレビなどでも開通の様子は大きく報道されましたので未だ記憶に残っている方も多いかと思います。
この橋は2層構造となっており、上層の首都高速道路もこの時開通しました。報道では、橋の高さについては一切ふれられませんでした。
平成元年当時、海面から煙突までの高さが世界で一番高い船は、世界で一番有名な客船「クイーン・エリザベス2世号」でした。
ようは世界で一番背の高い「クイーン・エリザベス2世号」でも通航できる高さで設計されたのです。
同船は開通前の3月31日~6月3日まで大さん橋に停泊し、洋上ホテルとして営業しており期間中は約18万人もの日本人が乗船しました。
ベイブリッジは「世界最大規模の船でも橋の下を航行できる」ことがひとつのコンセプトでもありました。
ちなみにベイブリッジの海面と橋の下部との間隙は56m、一方「クイーン・エリザベス2世号」は52mでした。

現在では海面から煙突まで56mを超える客船も多数就航し、この25年間の間に客船の規模も様変わりました。
2009年3月6日には、姉妹船のクイーン・メリー2号が横浜港に寄港した際は同船の高さが62mありベイブリッジの下を通過できなかったため、「大さん橋客船ターミナル」には入港できず貨物埠頭の「大黒埠頭」に入港しました。このことがきっかけで、横浜港では今後の大型客船の誘致、そして埠頭の整備、ベイブリッジの在り方について検討を迫られていました。

そしてつい先日こんなニュースが飛び込んできました。

「横浜市港湾局は客船の大型化と寄港数増加に対応するため、客船対応岸壁の新たな整備を決定した。現在利用している大さん橋に加え、将来的には本牧ふ頭をベイブリッジをくぐれない大型客船に対応できるようにする。実施となれば、客船用に整備することになるが、岸壁強度は十分であるため整備は短い工期で済む見とおし。実現すれば世界最大22万トンの客船も入港できる―」

とのこと。ベイブリッジの下は通れませんが、世界最大22万トンの客船も誘致可能ということはみなと町横浜を拠点に今後もクルーズが盛り上がる要素のひとつです。皆様も横浜ベイブリッジを今後ご覧になった際は高さを意識してください。そうするといかに客船が大きいか簡単に想像できると思います。

少しでもクルーズや客船に興味を持っていただければ幸いです。