先日、添乗員として『キリマンジャロ登山』のツアーへと行ってきました。キリマンジャロといえば、美味しいコーヒーの代名詞ですが、アフリカ好きの方ならすぐにお分かりかと思います。アフリカ大陸で最も高い山の名です。

アフリカ大陸の最高峰・標高5,895mの高さを持つ独立峰キリマンジャロ。大きな山ですので、ルートは幾つかありますが、今回は最も短い（と言っても）4泊5日のマラングルートでの挑戦です。
… 5日間の山歩きは、毎日のように景色が変わり、1日1日が魅力的ですが、その中でも最も魅力が凝縮されているのが4日目の深夜、頂上アタックの7時間ほどです。
澄みきった空気、眩しいほどに輝く月の灯り、頭上には満天の星空、全てが最高です。

スケールが段違いの圧倒的なアフリカの大自然を全身の毛穴で感じ、自分がその中の一欠片になったかのような心地です。

勿論、頂上までの道のりは簡単ではありません。震えるような寒さや、標高5,000mを越えての高山病、何度も諦めて折れそうになる心、自分との戦いが試 される瞬間が何度も訪れます。そんな時に支えてくれるのが、現地のガイドやポーター達。あくまで登るのは自分ですが、彼らが側に居てくれてサポートしてく れる事がとても心強い助けとなります。
山頂も近付いた頃、背中には太陽の光が注ぎ、眼前には何万年も横たわる大氷河が望めます。陽の光を浴び、青白く輝くその姿は神秘的な美しさです。

最後のなだらかな坂を登り切ったところに、意外と小さな看板がひっそりと立っています。ふと、腕時計の高度計表示に目をやると、はっきりと『5895m』 という数字が示されていました。なかなかここまでの達成感は人生にそう何度もありません。お客様の手前、こっそりと隠れて泣きます。

キリマンジャロ登頂は、高度な登攀技術を要さず、雪山登山の要素もない為、しっかりと準備し体調を万全に整えて臨めば、決して難しくはありません。万人の 挑戦を拒むことなく、今日も雄大な姿で待ち構えていてくれます。体調を整え、最後まで諦めない精神力を携えて、ぜひ皆様も挑戦してみて下さい。